鶴岡市や山形大、地元農協などでつくる「鶴岡食文化創造都市推進協議会」(会長・榎本政規鶴岡市長)は14日、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の創造都市ネットワーク食文化部門への加盟を申請する。12日、同市の担当者2人がユネスコ本部のあるフランス・パリに出発した。申請時に在来作物など鶴岡の食の魅力を説明し、加盟に向けたPRも行う予定。
創造都市ネットワークは、ユネスコが地域固有の文化を守るため、食文化のほか、「文学」「映画」「音楽」「クラフト&フォーク・アート」「デザイン」「メディア・アート」の7つの分野別に、特色ある都市を認定する制度。2004年に始まり、現在は34都市が同ネットワークに加盟している。
食文化部門は、コーヒーの産地として知られるコロンビア・ポパヤン、四川料理の本場の中国・成都、北欧の伝統料理を継承しているスウェーデン・エステルスンド、ビビンバで知られる韓国・全州の4都市が認定されている。日本からは現在、新潟市も加盟を目指して活動を始めている。
鶴岡市は10年5月に名乗りを上げ、11年7月に同協議会を設立した。同市の伝統的な食文化を広く発信するためで、庄内地方の在来作物を使った料理を紹介する書籍「はたけの味」の発行をはじめ、会員制交流サイト「フェイスブック」などインターネットで、食に関する体験を情報配信をする「鶴岡食文化女性リポーター」などを実施している。
同市のセールスポイントは、「だだちゃ豆」に代表される豊富な在来作物だ。A4判約90枚の申請書には、地元農家が守り続けてきた約50種類の在来作物について、農文化の歴史を伝える「生きた文化財」として紹介。出羽三山信仰と結びついた精進料理など、地元の文化と食の関係も取り上げている。
ユネスコ本部で申請手続きを行う同市政策推進課の阿部知弘・政策推進専門員は「四季の変化や豊かな土地が生み出す多様な食はもちろん、鶴岡に住む人の食に対する精神性もPRしてきたい」と意気込みを話していた。
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